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弘文洞跡

【名称】弘文洞
【所在地】夷隅郡大多喜町小田代
【竣工】明治初期?
【延長】約10m(推測)
【幅員】約5m(推測)
【高さ】約15m(推測)



2015年6月14日訪問

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弘文洞跡


大多喜町葛藤の向山トンネルの東側にて。現在地はココ(←クリック)

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以前も紹介したことがあるし、そもそも千葉の有名トンネルのひとつなので説明は不要だろうが、一応念のために…

こちらから見ると向こうの坑口が素掘りの三角形に見えるが、なぜかその下にライトが点灯している。これは旧坑口の下に新しい坑口を掘削したから。

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弘文洞跡


そして、近づくとこのような独特の姿となっている。なお、下にある新しく掘削された部分は共榮トンネルという別の名前になっているようだ。

今回、この記事を書こうと思って、お題の弘文洞を検索したところ、Youtubeに40年前の動画がアップロードされているのを見つけた。その冒頭にこのトンネルも写っているのだが、なんと昔はこの旧坑口の下に扁額らしきものが設置されていたようだ。

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さて、隧道を過ぎ、その先にある養老川に架かる共榮橋の上から下流方面を見たところ。左岸に遊歩道がある。

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遊歩道の入口。「弘文洞跡入口」の看板もある。ところで、そろそろお題の弘文洞について説明しよう。

弘文洞とは、今から140年ほど前(明治初期?)に作られた川廻しの水路隧道である。川廻しというの房総によく見られる人工的な地形で、蛇行する川の途中をショートカットするように新たな水路を作り、結果残された水の流れなくなった旧河床を農地や放牧地などに転用するというもの。房総のあちこちでその痕跡を見ることができる。

川が蛇行しているということは、それをショートカットする部分は小高い山であることが多い。そのため、川廻しの新水路は隧道が掘られるケースが多い。この弘文洞は夕木川(蕪来川)が養老川に合流する地点に掘られた水路隧道で、元々の合流点はもう少し下流側にあったようだ。

さて、跡というのは、現在では隧道が存在しないから。1979(S54)年5月24日に天井が崩落してしまい、今では切り通し状になっている。

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さて、遊歩道に進む。

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200メートルほど進むと、川にU字溝をひっくり返したように見えるものが置かれているのが見えてきた。あそこで対岸に渡ることになる。

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U字溝だなんて言って失礼。こりゃ、川を渡るための専用のものですな。何て呼ぶのかわからないのだけど(^-^;

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右岸の遊歩道。もうそろそろ見えてくるはずだ。

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おっ、見えた。あれだ!

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遊歩道からだとちょっと見えにくかったので、川べりに降りてみた。

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おおっ、こりゃいいねぇ。崩れてしまったけど、この景観もなかなかじゃないか。写真はパノラマ合成。

それから、この弘文洞の名前の由来だが、これは飛鳥時代の第39代天皇・弘文天皇に由来するそうだ。弘文天皇と言ってもピンと来ない人が多いと思うのだが、天智天皇の没後に起こった壬申の乱で大海人皇子(後の天武天皇)に破れ自害した大友皇子と言えばわかるはず。もしもわからないようなら、中学校時代に社会の勉強をサボっていたことになる(笑)

一般的には弘文天皇は滋賀で自害したということになっているが、小櫃川の支流・御腹川は弘文天皇がここで腹を切って自害したという言い伝えがあるし、弘文天皇妃・十市皇女が千葉に落ち延びたという伝説もあるらしい。

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小櫃川のように、この養老川の河床もナメ床になっているようだ。長靴があれば楽に対岸に渡れそう。

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上流方面

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下流方面。

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最後にもう一枚、正面から。



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