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旧大岩隧道を探せ!

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【名称】なし
【所在地】君津市大岩/大坂
【訪問日】2018年3月11日

 

まず下の地図をみていただきたい。

 

(この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)により作成したものです。)

 

場所は君津市大岩付近、国道410号と房総スカイラインが交差しているところである。現在、房総スカイラインのある尾根の下に延長132メートルの大岩隧道が穿たれている。

 

左は昭和22年に発行された地形図、右は現在の地理院地図だが、一目で気づくことがある。隧道の場所が違うのだ。そして、道路の線形が変わる南北の箇所はそれぞれいかにも入り口でございと言いたげな雰囲気の藪になっている。こう条件が揃うと確信するしかないだろう。廃隧道があるはずだ!と。

 

 

ということで、「廃隧道ゴチになります」ニヤ(・∀・)ニヤ(・∀・)ニヤとやってきた二人。おいらと、おなじみまきき氏。集合場所は隧道擬定地のすぐ上、房総スカイラインの峰山パーキングだ。なんか以前にも、似たような事があったけど、その時は、、、、、

 

ま、まぁ、気にせず行こう!

 

 

さて、問題はどこから攻めるかだ。というのも、南側は昭和50年代の航空写真を見ると房総スカイラインの建設工事に伴ってきっちりと斜面の工事がなされている。とてもじゃないが旧隧道の坑口などのこっていそうにない。その一方で北側の地形は手付かずに見える。だが、北側は国道側の入口を少し進むと巨大な砂防ダムで塞がれている。そのため、上からアプローチすることにしたのだ。

 

 

下に降りられそうな場所があったので藪に分け入る。

 

 

あっという間に車道からこんなに低いところまで来てしまった。

 

 

だがここで行き止まり。まきき氏の先はストンと切り立った崖の真上になる。どういう訳かまきき氏なしの写真を撮り忘れていた(^-^; それにしても、おとなしそうな顔をしていながら、意外と危なげところにも平気でヒョイヒョイと行くまきき氏だった。おいらは恐ろしいくて、彼の立っている手前の一段高いところまでしか行けなかったし(^-^;

 

 

まぁ、仕方ないのでとりあえず戻ることに(´・ω・`)ショボーン

 

 

なんでそんなに嬉しそうな顔しているの?(^-^;

 

 

さて、房総スカイラインまで戻ってきた。とりあえず南側の斜面も軽く見てみることに。

 

 

車道から見下ろすも、案の定坑口などまるでなさそう。

 

 

階段があったので降りてみることに。

 

 

こうなるまで約40年かかったようだ。

 

 

R410まで出てきた。藪が濃そうだと思っていたのだが、意外と簡単に出てこられた。

 

     ※     ※     ※

 

 

さて、ダメ元でと思いながら北側の入口風のところにやってきた。現在地はココ(←クリック)。

 

 

水路に沿って進むと、

 

 

砂防ダムが現れる。以前、物は試しにと入ってみたときはここで引き返したのだが、、、

 

 

なんと、砂防ダムの脇にロープが( ゚д゚)ハッ!

 

 

ということで、ありがたく使わせていただく。

 

 

砂防ダムならではの土砂が溜まっている景色(^-^;

 

 

さらに上流に進む。このあたりは元からの沢の風景か?

 

 

ってか、これただの沢だよね?道じゃないよね?

 

 

このあたりで、ほぼ確信した。旧隧道は幻だった、と(;´Д`)

 

 

だが、なかなか面白い景色が見られそうだったので、そのまま進むことに。

 

 

上から降りたときのストンはあの上だった。

 

 

滑り落ちたらやはり大変な事になっていた(^-^;

 

 

合流してくる別の沢を登ってみた。

 

 

ここを登れば後は楽にいけるかな?

 

 

と思ったら、またしても…(^-^;

 

 

最後にどにも登れないところが現れた。二人で交互に何度か試してみたところ、まきき氏がなんとかよじ登るのに成功。ぼくちんはギブ(;´Д`) ということで、まきき氏にロープを持ってきてもらうことに。

 

 

木にロープを掛けるまきき救援隊長兼隊員。

 

 

無事に房総スカイラインに復帰。

 

で、結論なのだが、旧隧道があるという仮説自体が間違っていたのではないかと思っている。

 

その最大の根拠は北側の谷が道路の痕跡とは思えないことだ。尾根上の徒歩道に短い隧道がある可能性も考え、パーキング周辺も歩き回ったがそれらしきものは発見できなかった。確かに国道と平行して山越えの徒歩道の跡(尾根道)らしきものがあったのでその途中に隧道があった可能性は否定できない。だが、旧版地形図に道は車道として描かれているので、もし仮に隧道がある(あった)としても、地形図の隧道とは別のものということになる。

 

過去に、隧道が建設されても、それまであった山越えの別ルートの道の途中に隧道の記号を書き足しただけで済ませてしまったのではないかという例に遭遇したことがある(こことかここ、他に未発表の件もあり)。ということで、ここもそんな房総の地形図あるあるパターンのひとつという可能性もあるが、徒歩道(破線道)は別にある。

 

車道が描かれていない明治の地形図を見ると、昭和22年の地形図と等高線がほとんど同じことに気づく。そしてそれらは現在の地形図と少々違うようである。現行地形図で隧道より北の道の東側にある尾根が旧版地形図にはないようだ。ということで、新旧地形図における隧道の場所の異同の原因は、地形図が不正確なゆえの誤差だと考えるのが最も無難な解釈と思う。

 

 

 

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