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内郷隧道~和田の里山に潜む現役古隧道

【名称】内郷隧道(うちごうずいどう)
【所在地】南房総市和田町小川
【竣工】不明(明治十年代以前?)
【延長】67m(平成16年度道路施設現況調査)
【幅員】2.4(同上)
【高さ】2.7m(同上)
【訪問日】2017年12月10日

 

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前回の記事(和田漁港そばの「真浦橋」)から山側に軽く登ってきた。道路脇に石碑が安置されていた。

 

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文字が読み取れたのは、この左の馬頭観音だけだった(^-^;

 

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里山の風景というところだが、これでも海から直線距離で1キロちょっとしか離れていない。

 

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道路脇の穴。民間防空壕っぽい。

 

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しかもいっぱいあるし(^-^;

 

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この細い路地を入る。

 

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軽四でも走るのが無理な細い道。だが現役の道だ。この先に本日のお題の隧道はある。

 

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(この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)により作成したものです。)

 

さて、ここで予習。左は昭和22年発行の地形図。これに気づいたときはちょっと興奮した(もちろん健全な興奮)、「廃隧道一本見つけたで!」と。

 

だが、これだけクッキリと記されているものはさすがに皆気づいているというもの。お馴染み、まきき氏に連絡したところ、「あー、学生服のヤマダさんに教えてもらったんですが、まだ行っていませんでした」と、なんだかやる気なさげな返事。きっと、ヤツも皆気づいていることを知って、やる気をなくしたのだろう(^-^; そして、ニコ動の三大冒険家と呼ばれた鉄人のだの人氏に訊いてみたところ、やはり彼は訪問済みだった(^-^;

 

「はぁ、あれはですね… ●●●で▲▲▲で…(頭ポリポリ)」とのこと

 

な、な、なんだってぇぇぇぇ??Σ(゚д゚lll)ガーン!!

 

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(この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)により作成したものです。)

 

なお、もう一枚地図を。こちらの左は明治初期に制作された迅速測図。なんとこれにも記載されていた。ということは、隧道は明治十年代頃にはあったということになる。近くにある寺谷トンネルの旧隧道と同じぐらいの古さだ。このエリア、かつて隧道先進地域だったのか?

 

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もうすぐ隧道なのだが、またもや防空壕跡が。ちなみに、この近くには砲陣地もあった。そちらも機会があったら再調査をしたいと思っている。

 

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さて、隧道の登場。西側坑口。

 

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のだの人氏に教えてもらった最初の情報。「隧道は現役で照明さえある」

 

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断面は寺谷トンネルの旧隧道と同じぐらいのサイズだろうか。あちらほど角が尖ってはいない。

 

どちらも車両を通すにはサイズ的にも前後の道の状態も厳しい。結果、交通量の多いあちらは早々に新隧道が建設され、こちらは幹線道路の座は譲っても細々と生き残ることができた。

 

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それにしても、内部は目立った崩落もない。この付近は竣工当時の様子をほぼ保っているのではないだろうか。

 

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チョークの書き込み。最近、行政があちこちの隧道でやっている調査の跡だ。

 

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この先に驚くべき光景が現れる。

 

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のだの人氏に教えてもらっていたもうひとつの情報。「地下壕が掘られている」

 

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隧道内部が防空壕になっている例は多い。とりあえず、長南、御宿、大多喜、南房総あたりで見たことを思い出す。そして現役の隧道の場合はほとんどが封鎖されていている。ここも現役隧道の例に漏れずきっちりと封鎖されている。のだの人氏もなんとか別の入口がないかと、探し回ったようだが、それは見つけられなかったとのこと。

 

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それにしても、網で封鎖されているのは珍しい。というか、自分はこのような方法は初めて見た。だが、それよりなにより、この隧道の防空壕は内部が広く、そして造りが丁寧。

 

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しかも沢山ある。ひょっとしたら、軍関係のものではないだろうか?

 

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そしてこの先に第三の特徴が現れる。

 

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これは、のだの人氏が教えてくれなかった特徴、「石碑がたくさんある」

 

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馬頭観音ならぬ牛頭観音。本来の仏教での信仰の対象ではない、日本の農民が考え出した信仰だ。南房総でよく見かける。それだけ農耕用の牛が活躍していたということなのだろう。

 

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こちらも牛頭観音。

 

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こちらは南無観世音だろうか?不明にして自分はここで初めて知った。法華経系なのかな?

 

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これも

 

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これも

 

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そして牛頭観音。

 

確か、もうひとつ、全く判読不能なものがあったが、読めたものは牛頭観音と南無観世音のみ。馬頭観音はなかった。ここから西の現在の幹線道路である県道296号の向畑隧道には馬頭観音もあった。幹線道路と農耕用の道路という用途の違いの結果とするのは考え過ぎだろうか?(^-^;

 

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そして東側坑口へ抜ける。

 

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振り返って、東側坑口から内部を望む。

 

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東側坑口。

 

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このままひっそりと残り続けることだろう。

 

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隧道の先を少し降りると

 

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農地が広がっていた。

 

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今にして思えば、このままこの道を下まで行ってみればよかった(^-^;

 

     ※     ※     ※

 

ブログ公開に先立ってYouTubeにアップした動画。

 

動画をアップした後、重要な情報を頂いた。Twitterでフォローしていただいているtapioca(@tapioca18)氏

から、隧道名が内郷隧道であること、道路は南房総市の市道で小川5号線であること、「おかめ」と「ひょっとこ」の彫り込みがあることなどをお知らせ頂いた。平成16年度道路施設現況調査や国交省のサーバーにあったリストにも記載されていたようだ。なお、前者によれば隧道が竣功したのは明治元年ということになるようだが、それはおそらく間違いだろう。とはいえ、いつも見ていたのに、迂闊だった(^-^;

 

tapioca氏とは面識こそないが、ブログの記事の内容の多彩さや調査の緻密さから、かなり見識の高い方とお見受けしている。

 

 

tapioca氏のコメントを見て思い出した。まきき氏にここの話をした時、「◎◎さんが◇◇に知らせたから※※に載ったらしいんですよ」と言っていたことを。そうだ、それでヤツはやる気なくしたんだ(^-^;

だが、その当時はまだ今昔マップがこのエリアまでサービスを拡大していなかったはず。一番驚異的なのは、ここから数百キロ彼方に在住している●●さんだったのだ(^-^;

 

 

 

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ゼンリン電子住宅地図 デジタウン 福島県 いわき市5(内郷・常磐) 発行年月201901 07204EZ0FImage may be NSFW.
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