【名称】五郎津ダム(ごろうづだむ)
【所在地】市原市戸面
【竣工】1925(T14)年(「ダムマニア」様)
【堤高】17.0m(同上)
【堤頂長】100m(同上)
2018年1月28日訪問
養老川水系の支流にある廃ダムの今の姿の解明を目的とした探索、今回は本編というべきダムのレポートとなる。まずは前回の記事の最後の写真を。今いるのはココ(←クリック)
そして更に数メートル進むと全体が見えてきた。五郎津ダムに到着。やったー!!ヽ(^o^)丿
ちなみに、当然ながらこのコンクリート構造物(高さ約3メートル)はダム本体ではない。堤体はその奥にある(木の生えた)丘状の地形だ。コンクリート構造物は---自分はそういうものは見たことがないのだが---アースダムの堤体が崩れて流出するのを防ぐ土留めの役割を果たしているように見える。
当然堤体も調査したいところだが、さて、どうすっぺ、、、(^ー^;;
とりあえず、正面から観察して伺い知れることをまとめてみよう。
まず右奥にアースダムの堤体(堤高17m)。その手前に土留めの役割を果たしていると思われるコンクリート構造物。コンクリのすぐ上には水がチョロチョロと流れ出している謎の穴。そして左上に切り通し状の凹みが見られるその手前には滝のような筋が。ということはあの切り通しは。。。( ゚д゚)ハッ!
なんてことを考えはしたが次の一手に困っていると、のだの人氏がつかつかとコンクリに近寄り、状況を観察しはじめた。その場所だが、写真では大したことなさそうに見えるかもしれないが、高さもあるし、真冬で見ての通り周囲は凍っている。滑りやすそうでちょっと危ないなぁ。のださん大丈夫?
だが、そんな状況もものともせず「ていやー」と(といっても無口な彼は無言で)腕力でよじ登りはじめるのださん、、、(゜o゜;
サクっと上に到達してしまった。
「これぐりゃーたいしたことにゃーだがね!おっさんも早くついてこいや!!!」
「の、の、のださーーん、おいらにはムリです(;´Д`)涙目」
おいらの泣き声を背にのだの人氏はあっという間に堤体を登り左の小山の上まで行ってしまった。
「のーだーさーーーーん、どうなってるのーー?教えてぴょん!」
「えー、まー、んーーーー、ゴニョゴニョ…」
どうやら、どうなっているのか知りたきゃテメーの目で確認しろやゴルァ!とおいらを鼓舞しているつもりらしい。
そして、おいらでも登れそうなルートを指示してくれた(写真はパノラマ合成)
「え、えーと、ホントに大丈夫っすか? (;´д`)」
「手がかりがあるから大丈夫だがね。シャキッと決めるだがね! ( ・`д・´)」
「は、は、はぃぃぃぃ (;´д`)」
ということで、斜面にかじりついて登った登った。おいら、高い所が苦手で落ちると死にそうor痛そうな場所は足がすくんでしまうのだが、この時は必死。まぁ、落ちても泥だらけになるだけだし、そもそも登っている時は下が見えないから気にならないのだ。そして、のださんの見立て通りおいらの体力でもギリギリ登攀可能だった。
ということで、無事に登りきったところから下を撮った一枚がこれ。まぁ、おいらだって、やればデキる子なのさ!( ̄^ ̄)エッヘン ちなみに、登ってきたルートの見下ろしは怖くて写真もなし(^-^;
そして登った先にあったのがコレ。そう、下から見た時、まさかと思ったのだが、ここは余水吐だったのだ(写真はパノラマ合成)
さて、余水吐の向こうにはバサー垂涎のダム湖があるはずだが・・・
あるはずだが・・・
るはずだが・・・
はずだが・・・
ずだが・・・
だが・・・
が・・・
・・・
はぁ???(゚Д゚)ハァ?
カラっぽだし!?Σ(゚д゚lll)ガーン
ダム湖なんてないぞ!?ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
かつてダム湖だったはずの場所は完全に水が抜けていた。ただ一筋、小さな小川が流れているだけ。その流れは右側の壁面に吸い込まれている。一体どうなっているんだ?
元ダム湖の湖底に降り立ってみた。(降りるルートも当然のだの人氏が開拓)
写真の右上に余水吐がある。そして正面に川の水が吸い込まれている穴が開いている。
底樋と言うのだろうか、水抜き用の穴のように見える。位置的にも正面にある穴に繋がっているはずだ。
穴の横にあるコンクリートの構造物。これは底樋に水を導く斜樋というやつだろうか?←ど素人なので解っていない(^-^;
(この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)により作成したものです。)
ここでもう一度、今度は平面図で周囲の状況をまとめておこう。
堤体は元々南北ふたつの谷が合流する地点に造られている。水源は南側の谷を流れる小川だろう。そして堤体正面向かって左側(南側)に余水吐がある。また堤体と余水吐の間に放水用と思われる穴がある。
とりあえず南側の谷にある沢を少し遡上してみる。
いつ頃から水がなくなっているのだろう。湖底部分には植物はほとんど茂っていない。ただ、渇水時のダム湖の湖底というより砂防ダムの上流の土砂が堆積した部分のようだ雰囲気だ。そして斜面は比較的低い場所にも木が生えている。ということで、もうかなり長いことこのような状態になっているのではないかと思うのだが←ど素人なので解っていない(^-^;
上流の散策は適当に切り上げ、今度は北側の谷へ(写真はパノラマ合成)
堤体が見える。この右奥が先程の穴や余水吐のある南側の谷。
アースダムを内側から見ることができるのも貴重なチャンスだ。ただ、年季が入っていて正面から見るのとあまり様子が違わない。芝すべりでもやれば楽しそうだ(^-^;
堤頂まで登ってきた。堤頂長は記録では100メートルとなっているようだが、実際はその3分の1程だろうか。
堤頂から(元)ダム湖方面を見下ろす(写真はパノラマ合成)
今度は下流方面を。高さにかなり差がある。
そのまま堤体の下まで降りてきた。のだの人氏がよじ登った場所だ。
そして水が流れ出している謎の穴。穴の手前にあるV字型のコンクリートの断片も正体不明だ。
穴の断面はかなり大きい。縦は3メートル近くあるだろう。残念ながら水が深くて前進は断念。
噂とは少なからず違うところがあったが、廃ダムを堪能。さて、帰りのルートだが、、、
コンクリートの土留めに斜めの段がついていた。これを進んで無理なく安全な高さまで来ることができた。行きもこのルートを使えばよかったのだ(^-^; ちなみに、このルートに気づいたのも当然のだの人氏。いやぁ、有能な猟犬を連れてきた甲斐があったわ( ̄ー ̄)ニヤリ
※ ※ ※
帰りに行きに下を通った水路橋で遊んでみた。
こちら側(西側)にあったはずの水路隧道は完全に埋まっている。
向こう側にいってみるか。。。なんか左にも穴があるけど、ありゃぜったいに到達不可能だ(^-^;
二五穴サイズの水路隧道。さすがにこれは入らなくてもいいや(^-^;
のださんに撮られたっ ( ゚д゚)ハッ!
※ ※ ※
続いて行く途中、通り過ぎてから存在に気づいた謎穴。
よし、猟犬よ行ってこいや!!!←おいらには登れそうにない(^-^;
「おおっ、これはっ!」と驚きの声が聞こえてきた。後日送ってもらった写真を見ると、こりゃ確かに驚くわ、てか意味がわからない(^-^; どうやら排水口らしいということのみは解ったが、、、
反対側に回り込むと入り口があった。
見下ろした図。う~ん。
※ ※ ※
さて、それでは事前にキャッチした数々の噂を検証。
・大正14年(1925年)竣功の灌漑目的のアースダムである
→予想以上に立派なダムだった。受益者の規模からすると大工事だったのでは?
・数年前(いつ?)の台風で被害を受け放棄された
→放棄されたのは数年前どころか数十年前では?
・台風で決壊した
→堤体は無事、決壊はしていない。
・台風被害で水が供給されなくなり、下流にあった2軒の家も転出した・峡谷を70m下ったところにある
→農機具小屋の廃屋はあったが民家は?林道ですれ違った男性も2軒の民家のことを知っていた。
・林道戸面蔵玉線の途中からアクセスする道がある
→なんと途中までは林道の旧道だった
・しかし途中の道は寸断されていて到達困難
→10メートルほど路盤のない場所があるが突破は比較的容易
・夏場はヤマビル天国
→たぶんその通り。おいらは近寄りたくない(^-^;
・頑張って到達できた人もいる
→我々も仲間入り v( ̄ー ̄)v
・知る人ぞ知るバス釣りのポイント
→バスなんて一匹もいねーよ!てかダム湖ないし
・スレ知らずのバスがうようよいる
→同上
最後に教訓。
大物探索には有能な猟犬を連れて行くべし!
え、のだの人氏についていっただけで、お前はなにも活躍していないんじゃないかって?ま、まぁ、確かにそう誤解されることもあるかもしれないよ(^-^; でもさ、エベレストやK2とかに登頂した登山家だってシェルパに道案内させたり荷物をもたせたりしているんでしょ? あれと同じようなもんじゃね? え、全然違うって!?気にしない気にしない!
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
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